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「総合的健康美学論 その理論と展開 (第1巻)」 総論編

Ⅱ-1-3 肥満の「体質と体型」

 肥満には、さまざまなパターンがあります。大きく分けると「体質」と体型」の2つのポイントからとらえることが重要です。まず、体質には、「陽性」と「陰性」の2つがあります。

 陽性肥満とは、単位面積あたりの脂肪細胞の数が増加するもので、「増殖性(調節性)肥満」と呼ばれるものです。いわゆる「固太り」がこれにあたります。この体質の性格は陽気で明るく、やや浅黒く肌荒れが目立ちます。また、体毛は多めで、吹き出物などが出やすいのが特徴です。

 一方、陰性肥満は、細胞内に中性脂肪が増加します。細胞の数は増加しないが、細胞そのものが肥大するのが特徴です。「代謝性(肥大性)肥満」と呼ばれるもので、いわゆる「水太り」がこれにあたります。性格は内向的で物静かな傾向があります。色白で肌はきめ細かく、中年女性に多く見られるのが特徴です。

 次に、体型から肥満をとらえると、「全身性肥満」、「躯幹(くかん)性肥満」、「猪首(いくび)性肥満」、「下半身性肥満」などの4つに分けることができます。

(1) 全身性肥満
このタイプは文字通り、全身に脂肪が均等に蓄積するものです。いわゆる、肥満児や20歳代までの若年層に多く見みられます。肥満の代表的な体型です。
(2) 躯幹(くかん)性肥満
このタイプは、胴回りやお腹の周囲だけに脂肪が付きやすく、腕や足にはそれほど脂肪は目立ちません。いわゆる「中年太り」と呼ばれるもので、陰性肥満者によく見られます。
(3) 猪首(いくび)性肥満
このタイプは、首の周囲をはじめ肩や背中に脂肪が付きやすく、臀部にも脂肪がついてしまうのが特徴です。陽性肥満者によく見られます。
(4) 下半身性肥満
文字通り、下半身だけに脂肪が付きやすいタイプです。一般に「安産型」、「多産型」などといわれます。このタイプは、ホルモンのバランスに問題が起きやすいため、早めの改善が望まれます。


Ⅱ-1-4 肥満と遺伝

 親が肥満であれば、かなりの確率で子供の肥満につながることが知られています。両親または片方の親が肥満である場合には、79.3%の子供が肥満になり、両親が肥満でない場合には、82.6%の子供が肥満になっていないという、肥満の発生と遺伝との関係が、統計的な面から明らかになりました。(名古屋市立大学医学部雑誌、16:1965)

 親が肥満の家庭では、このような遺伝的因子に加えて、環境的な因子が大きく影響しているものと思われます。例えば、偏った食習慣や運動嫌いなどの、アンバランスな生活習慣の影響を受けやすい環境にあるわけです。また、妊婦が肥満状態になると、胎児の脂肪細胞が増加するという、妊娠時の母親の食習慣が直接的に子供に及んでいる場合もあります。この点については「女性と脂肪」の項で述べます。ともあれ、肥満家庭における生活習慣の見直しも重要なテーマとなります。


Ⅱ-1-5 肥満とストレス

 一定期間、継続的に、一定レベルのストレスがかかると、食欲不振や逆に過食の形になって現われることがよくあります。いわゆる「摂食障害 Eating Disorder(拒食症・過食症)」といわれるものです。摂食障害では、拒食と過食が別々に存在するのではなく、多くの場合、拒食期と過食期に分かれて症状となって現われます。

 これは幼児期から思春期に至る子育て・親子関係の問題が原因といわれています。その主なものは、過保護・過干渉・過期待・過放任・過許可などの「5つの過ぎたるかかわり」と呼ばれるものです。本来、女性特有の心身症として知られていましたが、最近では、若い男性にも急増する傾向がみられます。

 このような心因性の肥満には、更年期にみられる肥満や、うつ病の影響からの肥満などがあげられます。通常、強いストレスがかかると、食欲の低下がみられるものです。しかし人の食行動は、ストレスが加えられると、逆方向に動き出すことも珍しいことではありません。いわゆる「やけ酒」・「やけ食い」などの類です。欲求不満を食行動に転嫁したものと考えられます。

 また、毎日のように夜食や夜の間食を多量に摂取する習慣のある人は、肥満傾向が強くなるだけでなく、その背景にうつ的問題や慢性的ストレスが介在していることが少なくありません。したがって、このような慢性的・習慣的な食行動の背景に目を向けることが、改善後の再発(Rebound)を防止する重要なポイントとなります。
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