4月1日(木)に100名以上の方にご参加いただき、『エステティシャンのための接遇講座』というテーマで教育研修会を開催しました。

 講師は、株式会社トリニティー・インターナショナル代表取締役の篠﨑桐子先生です。先生は接遇を中心とした人材教育や社員教育のほかに、イメージコンサルタントとして幅広い分野で活躍していらっしゃいます。
 国内だけでなく、海外ブラントが日本に進出する時には日本流のおもてなし教育を担当されるなど、世界の舞台でお忙しく活躍していらっしゃる先生です。

 受講者の皆様がまず引き付けられたのは、篠﨑先生の素敵な笑顔と背筋がピンと伸びた美しい立ち居振舞いです。さらに、ソフトでありながら歯切れの良い口調で話をされるので、会場は心地良い緊張感に包まれました。マナー講師の必須条件は知識を教えるだけでなく、自分自身がその全てをしっかりと実践できていることだという話を聞いたことがありますが、まさに「ザ・お手本」という印象の先生でした。

 受講者のほとんどはエステティシャンの方々でしたが、先生はまず初めに、「自分自身がお客様の身近にいる輝く女性の見本となることこそ、この人なら任せて大丈夫と思っていただける信頼関係を築く第一歩」と教えてくださいました。まさに、エステティシャン自身がお客様の求める「美」の体現者であることが大切だということです。

 お客様から支持を得るためには何が必要なのでしょうか?
 答えは「感動」です。
 お客様が事前に抱く期待よりも、実際にサロンを訪れ、施術を受けて感動し、そしてそのお客様が感謝してくださって初めて、ロイヤルカスタマーとして定着するのだそうです。そのためにも、お客様への対応は、心と心を接して遇することができるかどうかが鍵であるという話には説得力がありました。

 その後は、エステティシャンとして求められる「内面力」、「外見力」、「スキル」の3つの要素についてお話をしてくださいました。
 「内面力」とは、情熱・感性・知識・しつけ・ホスピタリティーなどを指し、自分自身をしつける力のことです。
 「外見力」とは、表情・態度・身だしなみのことで豊かであることが求められます。
 最後の「スキル」は、業務に関する知識・専門知識・手技・資格などのことです。この3要素はプロフェッショナルの要素ともいわれ、これが三位一体となって美しく形づくられる正三角形の大きさでその人のレベルが表されるのだそうです。
 このプロの正三角形の法則では、どれか一つでも足りないと、正三角形がいびつになるのではなく、三角形自体が小さくなってしまいます。それだけ、プロとは厳しいものなのだということですね。

 受講者の人数が予定より多かったので、実際に身体を動かしてのトレーニングは内容に限りがありましたが、隣の席の方と笑顔の確認やお辞儀の練習、またサロンという舞台に立つための必須条件である身だしなみのチェックをお互いにし合うという時間もあり、受講者の皆さんは講義の内容に満足されていた様子でした。


 最後に言葉遣いの練習も行いました。先生は、「人間はその人が使うような言葉の人になる」というドイツの有名な教育学者ポルノーの言葉を引用し、話をしてくださいました。
 自分の言葉によって自分自身が形成され、またその言葉によって周りの友人関係も変わってくるのだそうです。

 言葉遣いに磨きをかけて様々な人と臆することなくコミュニケーションをして、仕事やプライベートで豊かな人間関係を築いていけたら素敵だと思いました。

2010.4.1