2015年9月1日(火)に、学士會館(東京・千代田区)にて、『健康と美容への革新』をテーマに、第12回学術教育研修会を開催しました。

 今回は「健康と美容への革新」と言うテーマを掲げ、各分野の専門家に講演いただきました。同日は、聴講していた約170名の美容関係者が、専門知識や顧客サービスの充実を図るヒントが満載の講演に、真剣に耳を傾けていらっしゃいました。

 村山静江理事長からは、「今後も会員の皆様のために役に立つ情報の提供や、研究発表の場を提供するなど、積極的に活動を続けてまいります」と今後の抱負を述べられ、3時間にわたる学術教育研修会が閉会しました。第12回大会の報告を掲載しますのでご覧ください。



講演 『 骨粗鬆症 』

小橋 由紋子
  東京歯科大学市川総合病院放射線科講師


 放射線科医師であり、多数本も出版されている小橋先生は、「骨粗鬆症」をテーマに講演されました。





1.骨粗鬆症と高齢者および骨折は、密接な関係性があること。
 ・ 運動機能の低下、注意力散漫、視力の低下など加齢性変化によるものが大きい。
 ・ 骨粗鬆症の定義とは、骨強度の低下によって骨折のリスクが高くなる骨の病気であり、以前は骨密度だけで述べる事が多かったが、現在では骨質も重要な骨粗鬆症の原因として取り上げられている。
2.高齢者の転倒は60歳~80歳で増加し85歳以上では人口10万人あたり2000人以上が転倒し、それに伴う骨折を認めるそうです。
3.骨粗鬆症を合併しやすい疾患として、代表的なものに糖尿病があること。

 予防として、骨の材料となるカルシウム、骨代謝を盛んにするビタミンD、骨の形成を促すビタミンKなどを十分に摂り、普段から適度な運動をして予防に努める事が大切である事を学びました。




講演 『 エステティシャン養成の為の教育 』

鈴木 ひろ子
  山野美容芸術短期大学美容総合学科長
  総合エステティック専攻教授


 長い間エステティシャンの養成と教育に従事されてこられた鈴木先生は、「エステティシャン養成の為の教育」について講演されました。

 鈴木先生は、エステティシャン、メイクアップインストラクター、美容師の資格をお持ちであり、長年の教育実績により理容美容教育センターより功労賞を、メイクアップで厚生大臣賞を受賞されるなど、素晴しい功績を残されていらっしゃいます。

 また、心理学や皮膚科学なども幅広く研究されており、リフトアップマッサージや小顔マッサージなどの講演もされていらっしゃいます。

 今講演では、エステティシャン養成の為に必要な事は何かをユーモアなど交えて講演していただきました。




研究発表 『 成人女性のニキビに影響を及ぼす要因 』

郭 眞瓊
  仁川才能大学校ビューティーケア科教授
  理学博士


 皮膚管理が専門の郭先生は、「成人女性のニキビに影響を及ぼす要因」について発表されました。

 1.健康で美しい皮膚を維持・改善するために、多様な食品の選択、適切な量の食事の摂取、必要な栄養素の摂取が大事であること。

 2.規則正しい生活習慣及び食習慣と食行動を確立し、成人ニキビを効果的に管理すること。

 また、普段利用している日焼け止めの実用方法など分かりやすく説明してくださいました。




講演 『 ダイエティシャンコーチング 』

村山 舞
  昭和大学医学部薬理学兼任講師
  医学博士
  株式会社村山代表取締役


 村山先生からは、『ダイエティシャンコーチ』について講演していただきました。

 現在、日本におけるエステティシャン・セラピストへの国家資格制度がなく、知識や技術の向上は各サロンによるところが多いのが現状です。
 美容目的だけではなく、様々な不安を抱えた顧客にどのようなサービスを提供するべきなのか、こうした背景をふまえ、国際健康美学会では、美容と健康に関わる仕事に従事している人達の資質の向上を目的とし「ダイエティシャンコーチ」という資格制度を立ち上げました。

 資格取得に必要なこと
  ・ 健康、美、食に関する正しい知識を学ぶ
  ・ その知識を活用するためのコーチング技法を用いる
  ・ それを相手に伝え、実行に移す

 エステティシャンは技術的なテクニックだけではなく、よりお客様のニーズに合わせた接客、接遇の大切さ、さらには一人ひとりに最適なプランの提供のためにコーチングのスキルを身につける事が望ましいなどと強調されました。
 これからのエステティシャンには様々な知識とスキルを活用し、健康と美の医療者として、健康と美の医療者として社会に貢献することが求められていると締めくくりました。



2015.9.1